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杯に雨音
ここ3年、終戦記念日には『日本のいちばん長い日』を見ている。 今年は今まででいちばんリアルに作品のメッセージを耳に聞いた気がする。 最初は無視していた黒沢年男演じる畑中少佐の無念にも年々耳を貸せるようになっている。 ただ […]

酔いどれ船の舵を切れ
6月は敏郎さんがニューフェイスオーディションを受けた月である。 暑くも寒くもない、丁度一年の半分で始まりからも終わりからも遠い、台風の目のように静まり返ったニュートラルな時分。気の進まぬオーディションという名の品評会 […]
Mifune Beach
今年最初の驚きは仲代さんがツイッターを始めたことだった。 仲代さん主演6月公開の映画『海辺のリア』の宣伝を兼ねてのコラボアカウントとのことだが、キッカケはどうあれ快挙である。あの卯之助がツイッターを始めるとは全く思いもよ […]

72071km
ベストショットは泣き濡れた寝顔。 完ぺきな顔。 愛と憎しみの彼方へ(1951) – 坂田五郎 完ぺきな友人。 男ありて(1955) – 矢野光男 ベストドレッサーの憂鬱。 霧笛(1952) […]

いつか見た森雅之
敏郎さんの共演者の中で森雅之は別格である。 森雅之は敏郎さんと面と向かって相対する存在。『羅生門』での共演は男の色気の両極、これ以上ない魅力の補完だった。敏郎さんが猛々しく生(性)を発散させている向かい側で、内面を抑 […]
初めてのようにはいかない
今日は敏郎さんの命日。 命日には出演作品のDVDを見ながら酒でも飲んで敏郎さんを偲ぶ。 去年は『血と砂』を見た。今年は何を見ようか。 特別な日以外にも敏郎さんの映画は見るのだが、手元にある作品は既に何度も見ていて […]

les quatre cents coups
もう12月。早い。来年は没後20年、敏郎さんが徐々にキテる。ハリウッド殿堂入り、ドキュメンタリー映画の公開、だがそれらは海外発信であり、未だ国内ブレイクの機運は低い。何の気なしに使われる「世界のミフネ」という常套句、海外 […]

4Kの侍
今年の10月、4Kになった『七人の侍』が劇場公開される!!! 見るべし! 『七人の侍』乞うご期待!! と 3月に発表されてから待つこと半年以上、ついに今日、TOHOシネマズ新宿で観てきた。 何度も観た […]

アーモンドロカ
”素敵だったわ!男らしくって!” 29歳の敏郎さんなんて、そりゃあ最高に素敵で男前だろう。 2014年に亡くなった女優淡路恵子の『死ぬ前に言っとこ』という口述本を読んだ。この方、相当波乱万丈な人生を送っている […]
五社協定とプログラムピクチャー
敏郎さんの出演作を何本も観続けるうち、軽い違和感を覚えるようになった。 出演者がカブリまくってるぞ、と。 例えばある作品で敵のギャング役で共演した平田昭彦が、別の作品では軍服の頼れる軍参謀役として共演、みたいな。 […]
演技の幻想
1945年7月に撮影されたとみられる敏郎さんの写真=三船プロダクション所蔵 三船プロ、くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク提供 国際的映画俳優として活躍した三船敏郎さん(1997年に77歳で死去)の旧陸軍時代のものとみ […]
偉人は氷山の一角
昨年、BS朝日『昭和偉人伝』という番組の2時間スペシャルで敏郎さんが取り上げられていた。昭和の偉人イコール戦後の日本を盛り立てた人物。敏郎さんは間違いなくそういう人物だ。 日本は凄く変わった。日本人も変わった。敏郎さ […]

命日
『昭和偉人伝』の最後のほうで、敏郎さんが永眠、その出棺の時の映像が流れた。 初めて見たその映像が想像以上にショックで、思わず涙が出た。 出棺の現場にタイムスリップしたかのような、目の覚めるような悲しみ。 今日は敏郎さ […]

雨あがる幕あがる
日本博物館創立者で画家でもあるハンガリー人のドマ・ミコー氏が、映画『雨あがる』で父を彷彿とさせる殿様役を演じた三船史郎さんにインタビューした2012年の記事が面白い。父と息子の歳月にミーハー気分の入る余地はなし。偉大な父 […]
なにをおもう知るや志村喬の秋
フィルムセンターにおいて『生誕110年映画俳優 志村喬』と銘打って、志村喬さんに関する様々なコレクションの展示と出演作品の上映会が催されている。300人ほど入る大ホールでの上映会、プログラムには『醉いどれ天使』『野良犬』 […]
軍人と無精髭
日本の夏は先の戦争について思いを巡らすのが常。 私も今年は敏郎さんに惚れたおかげで「戦争映画」を少なからず鑑賞した。 戦争が終わった時、ざまあみやがれ!と誰にともなく言い放った敏郎さん、戦争映画に出演し演じるというの […]

He must loves you.
当然ながら敏郎さんも最初から渋く苦みばしってたわけではなく、若い頃があったわけで。 新しくファンになった自分のような人間は、この当たり前な事にコトサラ感嘆する。それだけ敏郎さんのパブリックイメージは偏っている。 […]