今年の正月、映画でも観ようと思いレンタル店で手に取ったDVD数枚のうち、借りるかどうか最後まで迷ったのが『醉いどれ天使』だった。殆どの黒澤作品は鑑賞済み、でも『醉いどれ天使』は観たことがなかった。
 
あの風貌、魅力というより魔力、演技を超えるエネルギーの噴出にヤラレテシマッタ。
快感を知ったからには追わずに居れまい、三船敏郎を見る快感。
 
多襄丸、菊千代、鷲津、三十郎、これまで観てきた魅力的な男達、それら極め付きの男達全てを演じる三船敏郎に、今まで一度も惚れなかった自分が本当に不思議だ。理由は今となっては謎だが、松永は凄い勢いで扉を開け放ち、全ての男達は新たに息づき始めた。三船敏郎こそ鍵だった。

 

敏郎さん。この場で貴方をなんとお呼びしようか色々考え、敏郎さんと呼ばせてもらうことにしました。
 
敏郎さん、本当に長い間ご苦労様でした。お疲れさまでした。貴方という存在を得た日本映画界は幸運でした。貴方の魅力と努力と情熱に、世界の賞賛は今後も途切れる事なく続くでしょう。
貴方は本当に言葉にできないくらい素晴らしい役者です。喜びや感動を与えてくれて本当にありがとう。
未来の貴方のファンが、私もそうするように全ての始まりからもう一度、
愛すべき人間三船敏郎との出会いの旅に向かうことを願い、夢見ます。
 
 
敏郎さんを映画の世界へ引き込んだ全てに感謝。
 
黒澤明監督、
敏郎さんの魅力を最も引き出したのはやはり貴方かもしれない。
 
志村喬殿、
人間として役者として貴方を基準とし得たことは敏郎さんにとって大きかったと思うのです。
 
 
三船徳造殿そしてセン殿、
お二人が見ることの叶わなかった敏郎さんを
見ている我々の幸せなことを噛みしめています。
 
 
 
2015年4月1日
MIFUNEDUDE